第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました
・
・
・
「おそ松、話がある」
カラ松が帰宅すると、暇そうに横に転がるおそ松がいた。
丁度一人しかいなかったので目的の内容を話すのには丁度いい。
「あー? なんだよカラ松ぅ、暇なんだよねぇ俺! 釣りでも行く? お前の奢りで!!」
「いや、今日はいい」
カラ松の乗り気のなさに口を尖らせ拗ねるおそ松だったが、そこにカラ松が本題を口に出す。
「ナス子の家のスペアキーなんだが、一松に渡してやってくれないか?」
「は~? それさっき一松にも言われたんだけどぉ! もしかしてお前一松になんか言われた訳ぇ?」
「…………そんな事はどうでもいい、その鍵はもう俺達が持っていていいものじゃない事くらいお前だってわかるだろう?」
「…………」
言われたおそ松は面白くなさそうに鍵の入ったポケットに手を突っ込む。
返事をしないまま、寝転んだ姿勢でカラ松を睨み上げた。
「なんでお前にそんな事言われなきゃなんないんだよ」
「一松は弟で、ナス子はシスターだからだ」
ナス子の家で本音をぶちまけたカラ松であったが、一松の先程の様子を思い出すとやはり自分がナス子をどうこうしようとは思えなかった。
優しさなのか、二人の間にはもう入れないだろうと言う諦めなのかはわからないが、今おそ松にスペアキーの事を言えるのは自分しかいないという使命感に真剣な表情でおそ松を見る。