第61章 【微エロ】【おそ松ルート】松野おそ松はしつこい
「ちょっとおそ松、なに?」
「いや、ちょっとね」
「私トイレ行ってから着替えたいんだけど……」
「おう、行ってきな?」
「行ってきます」
なんだこの会話は。
たまにおそ松が訳がわからないのはそう珍しいことでもないし、気にすると私ばかりが疲れるので気にしないようにしようとトイレのドアノブに手をかけるが、やはり後ろからおそ松が付いて来て黙っていられなくなる。
「ちょっと!! だからトイレ入りたいんだってば!! 離れてよ!! 変態か!!」
ぐいぐいとおそ松の顔を押すが、なおも離れようとしないおそ松を無理やり引っぺがして開いたドアの隙間からトイレに入る。
「いででででで!!」
「おいいいいいっ!! なにしてんの!!」
ドアにおそ松の手が挟まり締め切れない。
さすがに無理やり締めるとおそ松の手が落ちてしまうので、中からおそ松の手をドアの外へと押し出す。
ホントになんなの?! いつもに増しておかしいんですけど!
まさかトイレの中にまで一緒に入ってこようと……。
考えただけでゾっとする。
おそ松のことは好きだが、私にそういう趣味はない。
おそ松のほうにあったとしてもお断りだ。
そんなヘビーな趣向は流石に受け入れられる気がしない。
トイレから出ようとすると、ドアの前の何かが重しになって開かない。
もしや、おそ松がずっと待っていたのだろうか。
「……お、おそ松……?」
返事はない。
だが、ドアの前のものが動く気配がしたので、おそ松に間違いはないだろう。
怖い!! 怖いよおそ松!! なんなのマジで!!
怒ってるから?まだ怒ってるからそんな事してきてんの?!