第60章 【R18】【十四松ルート】その後
ナス子が目を覚ますと、自分を抱き締めながらスッカリ居眠りをしている十四松に思わず笑みがこぼれる。
「ふふっ……結局いつも一緒に寝ちゃうんだよねぇ……起こしてくれるって言ったくせに~」
寝ている姿はやはり可愛らしくて、男らしくてトキめく、というよりは、愛おしくてキュンとすると言ったほうが近いだろう。
十四松は、実に色々な顔を持っている。
付き合い始めてコトに至ってからというもの、十四松は事あるごとにナス子の身体を求めてきた。
休みの日には、食事をとることも忘れて一日中離してもらえずクタクタになることもあるぐらいで、正直しんどいと思うことも少なくない。
だが、求めてもらえること自体は嬉しいことであり、本当の意味でナス子が嫌なことは十四松は絶対にしようとはしなかった。
可愛い弟のようかと思ったら、知らない男の人のように欲情を露にして迫ってきて、まるで獣のように身体を貪られる。
だが、その最中どんなに激しく求められても、その口から絶え間なく零れる愛の囁きに、これ以上ないほどの悦びを感じてしまい、何度心臓が壊れそうになったことか、と思わずナス子は熱く浅い吐息を漏らす。
そんな十四松を、すごく格好いいと思ってしまうあたり、もう後戻りは出来ないほどにハマってしまっている自分を自覚せざるをえなかった。
「……これも……一種のギャップ萌えなのかなぁ……」
情事の最中の十四松を思い浮かべると、思わず顔が熱くなるのを感じる。
普段素直で口も悪いナス子だが、何故か十四松にだけは少しだけ素直になれている気がした。
あくまで、少しだけだが。
ナス子の呟きに反応した十四松が軽く身体をよじってゆっくりと目を開く。
「んん……? あ、姉さん起きたぁ?」
「うん、起きた。 おはようござい~……」
「「マッスルマッスルぅ~、ハッスルハッスルぅ~」」
二人声を合わせてそう言って、声を出して笑い合う。