第60章 【R18】【十四松ルート】その後
呆然としたままこちらを見る兄弟たちに、一応心配をかけまいとそう約束するナス子だが、言われた本人たちはまったく訳がわからない。
「いやいやいや、それ普通男の方が言う台詞だからね?! お前じゃなくて十四松が言わなきゃいけない台詞だから!」
「大丈夫だよチョロ松兄さん! ボクもう卒業してるから!」
「ちょっ! じゅっ、十四松……!?」
己に科せられた使命のように突っ込みをするチョロ松だが、十四松からの突然の卒業宣言に、またも動きが停止する。
慌てたナス子が十四松の口を塞ぐが、時既に遅しどころか遅すぎた。
「っ馬鹿……! あれほどっ、言うなって……っ言ったのに!」
「うんむむむぐむっ……」
ナス子がそろりと並ぶ兄弟達に視線を移すと、全員が俯いて黙っている様子に、面倒臭いことになる予感、というか予知にも近い感じがして、思わずナス子は十四松の手を取ると、その辺に脱ぎっぱなしだったパーカーを手に取り走り出す。
「一松ぅぅぅ!!! ミケ子をお頼み申す━━━━━!!!」
「おいコラぁ━━━━!! まだ話は終わって……っていうか始まってもねぇぞ━━━━━━━!!!」
チョロ松の叫びが背中から響く。
十四松の手を引いて走っていたナス子だが、道路に出た時にはいつの間にか手を引かれ、前をもの凄いスピードで走る十四松についていくのがやっとだった。