第60章 【R18】【十四松ルート】その後
「こ、これは現実か?! もしかしてオレたちはすでに全員寝ていて、同じ夢を見ているんじゃないのか……?!」
「ああカラ松……ちょっと思いっきり殴ってみてもいい? もし痛かったら現実……痛くなかったから夢……死んだら地獄だから……」
「ん~? 急に現実な気がしてきたぜ一松……っだから殴るのは止めてもらえないか、拳を下ろしてくれないか……っ?」
お決まりのカラ松と一松のやり取りを横目に、トド松が横になったままの十四松の肩を揺すって口を尖らせる。
「十四松兄さんっ! もっと詳しく説明してよっ、いつ、どこで、どういう経緯でナス子姉と付き合うようになっ……」
「ぐぅ………スヤー………ぐぅ」
揺すられていることなどなんのその、いつの間にやら十四松は、一人だけ夢の世界の住人になっていた。
幸せそうな表情はそのままに、ザワつく兄弟達を置いてけぼりにして、すっかり深い眠りについてしまったのだ。
「なんで?! 今の状況でなんでこんな急に熟睡出来んの?! 怖いんだけど?!」
「あぁ~! クソっ、やられたぁ! いつの間に両思いになってやがったんだぁ…!!」
「ちょっと十四松兄さん! 起きてっ! 起きてよ十四松兄さぁん!!」
「…………死のう」
「早まるな一松……っ、まだ決め付けるのは早いぞ!」
トド松がいくら揺すってもまったくおきる気配のない十四松に諦めをつけ、残された五人は顔を見合わせる。
「……カラ松の言う通りだ、まだ決め付けるのは早い……よしっ、明日ナス子本人に聞いてみよう!」
「「「「 ……うぃ! 」」」」
最終判断を下したおそ松に、全員が親指を立てて同意する。
そして各々が自分のいた位置へと戻り横になるが、結局夜が明けるまで誰一人として寝付くことは出来なかった。
もちろん、十四松以外、である。