第60章 【R18】【十四松ルート】その後
そんな兄弟達の様子も意に介さず、幸せなそうな表情で天井を見つめる十四松。
「おい十四松! んな幸せそうな顔してないで質問に答えろよっ!!」
「そうだよ十四松兄さん!! 余裕?! なんか余裕に構えてるのそれ?!」
「落ち着くんだおそ松トド松……っ、十四松のことだ、何か勘違いをしているのかもしれないだろう……!」
全員で布団に横になる十四松を囲むような形になり、全員同じような表情で問い詰めるが、やはり十四松はそんな兄弟達の様子も気にせず自分のペースを乱すことはない。
「勘違い? ううんっ、ちゃんと愛してるって言ったよぉ!!」
「あっ……愛っ……?!」
裏声のようなひっくり返った高い声でチョロ松がそう言うと、十四松以外の全員に衝撃が走る。
「大好きより、愛してるぅのほうがいいかなぁって。カラ松兄さんがいつもそう言うでしょお? だからぼくもそうしてみたんだ」
相変わらず誰に話しかけているでもない、天井を見つめながら一人幸せそうに目を閉じてそういう十四松に、兄弟達は思わずお互いの顔を見合わせる。
「う、嘘だよな十四松……た、確かに、前にナス子が十四松にトキめいたーなんて話は聞いたことがあったけど、それはただのギャップ萌えで、そういうんじゃないってことに……勘違いってことで終わったはず……!」
実を言えばこの話、今になって言えることだが、ナス子は確かに十四松を男として意識してトキめいていたのだが、その段階では判断材料も少なく、まして相手は十四松。
チョロ松も意地悪でそう言ったわけではけしてなく、その時は本当にそう思ったから言ったのだ。
兄弟達の気持ちが判明した後も、そんな前のことを今更掘り返すこともないだろうと思った為口には出さなかった。
「あー、んとねー、ナス子姉さんは、ボクが姉さんを好きになる前から、ボクの事を意識してたんだって。 姉さん本人からそう言われたから間違いないよぉ、いやぁ照れますなぁ」
心底嬉しそうに笑ってそう言う十四松の表情が、それが真実であることを証明している。