第59章 【R18】【トド松ルート】その後
ナス子が風呂に入ると、トド松は側にあった一人掛けのソファに座り込んで長い息を吐く。
「はぁ~~~……、今日はなんて良い日なんだろう……クソ兄弟共に邪魔されることもなく、楽しい場所行って、美味しいもの食べて、こんな良いホテルに宿泊? やば~い、ぼく今完っ全に勝ち組じゃん…」
普通に働いていれば、いつでもこんなことが出来るんだよねぇ…とそんなことを思うが、やはりニートという甘い甘いぬるま湯から出ようとはなかなか思わないあたりがやはり六つ子の一人である。
しかし、トド松は今日の為に密かにバイトをし、ちゃんとした手段で資金を調達していた。
やる気にならないことが問題なだけで、ちゃんとした目的があればやれば出来るのだ。
死ぬほど検索をして目が充血するほど口コミを見まくり決めたデートコース。
今日一日、言い合いもしたが概ねナス子は楽しそうで、上機嫌だった。
「よかった……あ、そうだ」
立ち上がって自分の荷物からアレを取り出し、枕の下へと隠す。
アレとは、もちろんコンドームのことである。
もうお気づきかもしれないが、この二人はすでに初体験を済ませており、今日が初めてというわけではない。
両思いになった当日、当然そのまま我慢できるはずもなく、朝まで致してしまった。
ナス子の匂いがする、と十四松に体の匂いをかがれ、兄達にボコボコにされたのは約1ヶ月前。
それから何度かする機会はあったが、事あるごとに何かしら邪魔が入り、結局最後まで出来たのは告白した当日だけだった。
トド松にはそれが大変不満であり、ゆえにお互いの自宅から遠く離れたところまで足を伸ばすしかもう方法がなかった。
「よし……っ」
「トド松~、お待たせ、出たよ~すぐ入る?」
「あっ、ああ、うんっ、そ、そうだね! すぐ入るよっ!」
「? なにどもってんの?」
「はぁ?! どもってないしっ! 気のせいじゃないの?!」
「そ、そう……」
ホテルに備え付けられていたのであろうバスローブを身につけて出てきたナス子の姿に、図らずも心臓が高鳴ってしまったトド松。
慌ててバスルームへと駆け込み、早くも反応を見せている自分のものを押さえて、頭から水を被る。