第59章 【R18】【トド松ルート】その後
「すごいねトド松! 夜景めっちゃ綺麗!」
「ホントだね、ナス子姉さん。 でも………」
「ん?」
上機嫌な表情でナス子がトド松を振り返ると、急に抱き締められ驚いて体が強張る。
「ト、トド松……?」
「でも……夜景より、ナス子姉のほうが……ほうが………っあ━━━!! ダメだ━━━━━!! これは言えなぁぁぁい!!!」
突然頭を抱えて蹲るトド松に、思わず唖然とする。
「トド松、どうしたっ!」
「ごめんナス子姉……っ! ぼく今頑張って言おうとしたんだよ…っしたんだけど、でもっ! 無理なんだよ!! だって夜景の方が綺麗じゃない?!」
「………ああ、そういうこと」
口元をひくつかせ、トド松がなにを言おうとしたのか理解するとかがんでいる頭をガシガシと乱暴に撫でくり回す。
「わっ! ちょ、ちょっとぉ!! 髪の毛ぐちゃぐちゃになっちゃうでしょ!」
「もうどっこも行かないんだから別にいいでしょ! てか、無理に変な台詞言おうとしなくていいから! 普通でいいから! ったく……」
踵を返して、必要な荷物を取り出そうとナス子が改めて部屋を見渡すと、一つしかない広々としたダブルベッドに今やっと気がつき、少しだけ頬を赤く染める。
ぷるぷると軽く首を横にふり、自分の荷物から着替えを取り出す。
「先お風呂入らせてもらっていい? トド松先入る?」
「あー、ううん、いいよ先入って」
「そう? じゃあお先に……入ってこないでね」
「さすがにホテルの狭いユニットバスでどうこうしようと思わないから安心してよ」
「………然らばごめん」
「だからなんでちょいちょい武士っぽいの?」