第8章 冬に半袖は風邪を引く トド松 途中からトド松side
みゃ~お♪
中からミケ子の鳴き声が聞こえる。
どり子がミケ子を連れてくると、ミケ子の様子を教えてくれた。
「今日初めて預かったにしてはいい子だったよ、ご飯もちゃんと食べたし。おしっこもウンチもしたしよく寝たし、健康そのもの。元気元気~。ごしゅじん~わたしちゃんとお留守番できたよ~褒めて褒めて~」
どり子がアテレコをしつつミケ子の前足をちょいちょいとすると、可愛さで一瞬眩暈がした。
天使・・・天使がいる・・・
ミケ子をどり子の腕から受け取り、私の胸に抱かせ頬をすり寄せる。
「偉かったねぇぇぇええミケ子ぉぉぉぉぉなんていい子なのぉぉぉ~~!」
「賢そうだね、その子」
「ありがとう、どり子。急に頼んでごめんねぇ」
「いや、全然気にしなくていいよ、動物好きだし。こっちの都合が合えばいつでも預かるよー」
あぁ、ありがたい。親友が隣に住んでいて良かった。
いや、別に何か頼りたいがために言ってるワケじゃないんだけどね!
「それよりナス子、ちょっと」
そういうと、にゅっと伸びた白い手が私の額に当てられる。
「・・・やっぱり。ちょっと熱くない? 熱あるんじゃない?」
「え? そういえば頭痛いかも・・・」
「風邪でも引いたんじゃない? 早く帰ってゆっくりしてなーミケ子も朝ごはん食べたから。ていうか、なんなら私もうちょっと預かっておいてもいいよ?」
あぁ、そういえば思い当たるあたる節があった。
昨日ラーメン食べた後にパーカー忘れて半そでで帰ったんだった。
ま、体の弱い私は体調を崩すのは十八番ですけども・・・。
「うぅ、ごめん。どり子にもミケ子にも悪いけど・・・じゃぁもう少し頼んでいいかな?」
折角の親友の申し出だ、ミケ子もどり子に懐いているようだし、ここは甘えよう。
帰ったら寝よう。ひたすら寝るのはいつもの事だけど。
そのまま親友に家族を託すと隣の自分の家へと帰っていく。
ミケ子を迎えに行ったのに手ぶらで帰る私・・・・・・・・・・
・・・ち ょ っ と ざ び じ い゛
一緒にお布団でごろごろしようと思っだの゛に゛・・・
いや体調崩した私が悪いんだけどさ・・・