第8章 冬に半袖は風邪を引く トド松 途中からトド松side
扉を開き、布団へとダイブする。
体って不思議なもので、熱があるんじゃない?とか聞かれると体調が悪くなってくるんだなぁ
「た・・・体温計ぇ~」
枕元に常備置いてある体温計をとって熱を測る。
少しの間と言っても冬の季節に半袖で外に出たのはバカだったなぁー・・・
あ、そうだ。今度パーカーを松野家にとりに行かなきゃ。
それにしても昨日のアイツらは相変わらず失礼というか・・・楽しかったけど!
でもあれだよな、お姉さんをお姉さんと思ってないというかそもそも――――
ピピピピピ…
ボーっと思い出していると体温計の音が鳴った。
あぁ、熱あったらやだなぁ。風邪ひいたら面倒だなぁ・・・。
健康な体が欲しい。
「・・・・・・・・・・38℃」
風邪だな。
体温計を外し布団を被る。確か薬は今切れてたような気がする。
買いに行くのも面倒だし体がダルイ。
でも親に連絡するといつもこれでもか、ってくらい心配されるので言えないし、どり子はミケ子の面倒見てくれてるし。
ここはアイツに頼るしかないと思い、携帯を取り出す。
LIMEの相手に一言「風邪 ヘルプ」と打つ。
「これでわかってくれるかなぁ?」
久しぶりにお願い事してみたけど返事くるかね。
既読スルーされる時もしばしばあるからなー、私もよくするし・・・。
携帯を枕元に置き、送り主が見てくれるかはわからないまま掛布団を頭まで被った。
「冷えピタほしぃなー・・・とりあえず寝よう」
~♪~♪~♪
目を瞑ってなんとか寝てしまおうとした時LIMEの着信音が鳴った。
今携帯を耳にあてるのは響くのでスピーカーで対応する。
「・・・もしもしー」
『あ、ナス子姉。何このメッセージ、風邪ひいたの?ヘルプってどういう事?』
「冷えピタとね、薬とね・・・」
『あぁ、全部家にないって事ね』
「お察しの通りで・・・」
『じゃぁ買ってくから、ナス子姉はゆっくり寝てて』
「うん、ありがとう。トド松」
そう、私が頼ったのは松野家六つ子の一人トド松。六つ子の中で唯一スマホを持ってて、こういう時は優しく気遣ってくれる。
末弟といえど、頼りになる男性だ。
たまに既読スルー(略)
今日は珍しく見てくれたので良かった。
電話を切ると安心したのか途端に襲ってくる睡魔。