第59章 【R18】【トド松ルート】その後
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「……ねぇ、まだ怒ってんの? ナス子姉……ねぇってば」
「………怒ってる!」
「ずっと謝ってるでしょ? まぁぼく悪くないけどっ」
「悪くないって思ってるなら謝るな━━━!」
水族館を出てからというもの、こんな会話の繰り返しである。
二人で次の目的地のホテルディナーへと歩いているのだが、手も繋がせてもらえないトド松はふくれっ面で唇を尖らせる。
「……せっかくのデートなのにー……」
完全にイジけている様子のトド松をチラリと振り返る。
本当は怒っているわけではなく、恥ずかしさにトド松の顔が見れないだけなのだが、それを素直に口に出せるようなナス子ではなかった。
「あんな所でっ……ストッキングも伝線しちゃったし……っ」
「新しいのコンビニで買ったでしょー? ……あ、わかった! 恥ずかしがってるだけなんでしょ…ホントはそこまで怒ってないんでしょお?!」
「……っ図星じゃクソボケぇ━━━━━━━っ!!!」
そう叫んで脱兎の如く走り出したナス子の後を、嬉しそうな顔をして追いかけるトド松。
「疲れちゃうよナス子姉さん! ホテルまでまだ結構距離あるんだからねー!」
「ニヤニヤしてんじゃねぇぇぇぇええ!!!」
「あれ? なんでわかったんだろ……てか口悪っ! 今更だけどホンット直した方がいいとトッティは思うんだけど?!」
「うるせぇぇぇぇぇ!!!」
そんな小学生よりも低レベルな言い合いをしながら、二人は次の目的であるディナーにありつくべく、ホテルを目指した。