第59章 【R18】【トド松ルート】その後
しばらく歩き通しだった二人は、目の前に浮かぶライトアップされたくらげたちを見つめて肩を寄せ合い一息つく。
「すごいねぇ、くらげって何だか見てると癒されるよね。ぼくあんまり興味なかったけど、ちょっとナス子姉の気持ちがわかった気がする」
「そ、そう……? そうだね……綺麗だね」
「うん……って、ナス子姉? 水槽は、床じゃなくて前にあるんだけど? 床が綺麗なわけ?」
「え?! ち、ちち違うよ! くらげ! くらげ綺麗だなぁ! さすがくらげだよねぇ! うんうん、くらげだぁ~」
「いや何回くらげって言うんだよっ、どうしたの? どっか痛い?」
トド松が少し心配になって顔を覗き込むと、顔を真っ赤にして眉をハの字にしたナス子と目が合う。
予想外の表情に、思わずトド松も目を合わせたまま停止してしまう。
思わず顔を覆ったナス子に意識を取り戻すと、慌てて視線をくらげに戻す。
「は?! なんでそんな顔真っ赤になってんの……っ? ビックリしたんだけどっ」
「ご、ごごごめんっ……だ、だって………」
「だって、なにっ」
「…………あのトド松が……格好良くて……ド、ドキドキ…しちゃって」
「は…………はぁ?! きゅ、急に、急になに言ってんの?! 頭でも打った?!」
「打ったかも!! ああああ自分が気持ち悪いっ……!!」
バチバチとナス子が自分の頬を叩く音に、周りいる人の視線がチラホラと集まる。
それに気がついたトド松はナス子を制止して立ち上がり、足早にその場を後にした。