第57章 【R18】【おそ松ルート】その後
「へへ~っ、実は今の台詞ちょっと言ってみたかったんだよね~」
お茶ら気た声色でそう言うおそ松をチラリと横目で見ると、普段通り、子供のような笑顔で鼻の下をこする姿に、少しだけほっとする。
「なぁ、ドキドキした?! 俺の裸見てちょっとその気になった?!」
「…………べ、別に……しないっ……ことも、ない……っ」
「ツンデレなの? お前」
真顔でそう突っ込まれ、持っていたドライヤーを思わずおそ松に投げつける。
「あぶねっ!! おいっ、なにすんだよ!!」
「うっさいわ━━━━!! 馬鹿おそ松!!」
ナス子の顔は耳まで真っ赤に染まり、照れているのか恥ずかしがっているのか、はたまたその両方なのかはわからないが、照れ隠しの行動なのは誰が見ても明白だ。
今までの関係が関係の為か、なかなか素直になれない自分を、ナス子は自覚していた。
そして、そんなナス子をおそ松も理解していたし、自分たちはそれでいいと思っている。
ゴンゴンとこたつのテーブルに自分の額を何度も打ち付けている様子のおかしいナス子に近づき、おそ松は横にしゃがんで頭を撫でる。
「………緊張してんだろ? わかるよぉ? 俺も同じだもん……ほら、わかるだろ?」
ナス子の手を取り、それを自分の心臓にあてる。
一瞬ビクリと反応したナス子だが、おそ松の鼓動を感じてゆっくりと顔を上げ、視線を合わせる。
風呂から上がったばかりのおそ松の顔はほんのりと上気していて、おでこに張り付いた髪の毛がなんとなく色っぽく見えた。