第57章 【R18】【おそ松ルート】その後
「……もし約束を破って入ってきたら……一週間、キスも、もちろんするのもオアズケするからね」
「マジか……っ! ~~~わぁかったよ!! 大人しく待ってます! これでいいだろぉ?!」
やはり入ってくるつもりだったな、念を押してよかった、と、脱衣所のドアを閉めナス子は溜め息をつく。
あの男はどうしてこうデリカシーがないのか。
ama×onかどっかで百円ぐらいで売ってないかな、などと馬鹿なことを思う。
仮にもやっと心が通じ合った恋人同士がこれから初めて致そうという流れなのに、ムードも何もあったものではない。
いや、そもそもおそ松にムードなどを期待する方が馬鹿なのかと、ナス子は二度目の溜め息を吐く。
あの男と……あのおそ松と、これから………
これから起きることを想像して、思わず体の体温が上昇する。
ブンブンと首を大きく横に振り、気を取り直して風呂に入り、熱いシャワーを浴びて全身をくまなく洗う。
お気に入りのシャンプーの香りに、少しだけリラックス出来た。
約束を守り、おそ松は風呂に侵入してくることはなかった。
ナス子が出た後、大人しく一人で風呂に入ったおそ松が程無くして脱衣所から戻ってくると、その姿にぎょっとする。
「ちょっ……! なんで裸?! 服着てよ!!」
「どうせすぐ脱ぐんだし別にいいだろぉ?」
「そういう問題じゃない……!」
素っ裸で腰にバスタオルを巻いただけという格好に、ドライヤーで髪を乾かし終わったところのナス子はおそ松を直視出来ず顔ごと視線を逸らす。
これまでならそんな格好を見ても別になんとも思わなかったはずなのにと、慌てふためくとまではいかないが、何やら恥ずかしく感じてしまう自分にひどく違和感を感じる。
ドキドキと、心臓の音がうるさい。