第57章 【R18】【おそ松ルート】その後
おそ松は強くナス子を抱き締めると、ぐりぐりと自分の頭をナス子の肩口に押し付ける。
「すればいい!! 言っとくけどもう撤回とか聞き入れないからな俺!! やっぱりとかもなーし!!」
「わかったわかった! ちょっ、苦しいから! おっ……お風呂は入ってもいいでしょ?! ていうか入らせて! 絶対!」
「よぉし! んじゃ一緒に入ろうぜ?! 一度に済むし、時間の短縮になるだろ? 俺が体洗ってやるよ!」
「はぁ?! ヤだよ!! 絶対嫌!!」
「はぁ?! なんで?! 俺ら恋人同士になったんだろ?! 風呂ぐらいいいだろ! これからもっとスゴぉいコトするんだよぉ?!」
「ちょっと! デリカシーがないにもほどがあるんですけど?!」
「なにそれ聞いたことない言葉!」
「おそ松の場合、大人しく一緒にお風呂に入るだけじゃ済まないでしょ絶対!!」
「当たり前だろ!?」
「威張るなー!!」
「威張るね!! だって俺だよ?! 俺おそ松だよ?!」
抱き締めあったまま言い合いになるというところが、実にこの二人らしいと言えばそうなのだが。
こんなことでまた喧嘩になるのは嫌なので、ここは大人のナス子のほうが先に言葉を収めた。
そう、相手はおそ松。おそ松なのである。
短く溜め息をつき、おそ松から身体を離していじけたように相手を睨みつけ、立ち上がる。
「一緒にお風呂に入るか、するか、どちらか一択! どっちがいい?」
「ええ?! なにそれっ! 両方だって!!」
「二兎を追う者は一兎をも得ず………寝よっかな」
本気でナス子がすっと冷めていき、その表情を見たおそ松は、これはマジだと理解したのか慌てて立ち上がり、寝室の方へと足を向けようとするナス子を制止する。
「ちょっと待ったー!! わかった! わかったから……っ! 風呂は我慢する! だからセッ×スはして?!」
おそ松の台詞を聞き、足を止めたナス子は一度おそ松に視線を移すと、無言のまま着替えを用意して脱衣所へと向かう。
それを黙って見ていたおそ松に、脱衣所のドアを閉める前に念を押す。