第55章 【逆ハールート】その後
「・・・・・・・・・」
全員が沈黙する。
「・・・でもさ、トド松も言ったけどさ、さすがに6人と付き合うって言うのは私もちょっと調子がいいと言うか・・・ハッキリしなさすぎと言うか、欲張りすぎてるし、そんな事世間一般的に考えると絶対ないって言うか・・・さ」
先に気まずそうにナス子が口を開く。
勿論その想いとは反対に、全員と一緒に居たいし、付き合えるものなら付き合いたいとは思ってはいるのだが・・・どうしても常識的に考えてしまい・・・ナイナイ、そんな事ダメだと自分の中でストッパーをかけている。
「え~、別によくない? お前だって俺たちの事好きなんだろ? だったらそんな一般的とか関係ないよね! だって他は他で俺達は俺達なワケだしぃ~ まぁ、俺だけ選んでくれたら嬉しいって気持ちもあるけどさ~・・・お前が選べないってんなら仕方ないよねぇ? なぁ?」
おそ松が頭の後ろで腕を組み、早速ナス子の気持ちを揺るがす事を述べながら横に座るカラ松に話しかける。
「そう、だな・・・。 ナス子! 世界は広い、そんな広い世界では、いつ! どこで! なにが! 起きるかなんてわからない、俺だって出来る事ならお前を独り占めにしてしまいたいが、それが適わぬのなら仕方ない・・・しかしこのカラ松、お前を諦める訳にはいかない。 回り出した恋の歯車が一行に止まらぬまま時を━」
「まぁ、ないって思うよね普通なら。 僕だってそれはそう思うけどさ・・・この場合もう仕方ないよね? だって全員が好きって事は全員を選ぶしかない訳だし、一人選べなんて言ったらお前は誰も選ばないつもりでしょ?」
「う゛・・・」
さすがチョロ松先生だ。
既にナス子の考えの先を読んでいる。