第55章 【逆ハールート】その後
「僕としては本当はこんなやつらがいる前でこんな事したくないんだけどね、でもお前の気持ちもなんとなくわかっちゃってる訳だし、ここは男として言うのは当然だよね? 癪だけど本気だよ」
いつも説教したり皮肉ばかり言うチョロ松も今日はいつもと違う、親友だったハズの彼が急にこんな事を言うのも驚く事だがチョロ松なりに考えぬいて出してくれた結果なのだろうと無言でチョロ松に目を向ける。
「・・・俺・・・は、昨日ちゃんと言ったよね? だからわかってると思うけど、出来れば・・・その・・・っ、っ・・・」
「待って! 一松、先に言う!! 絶対うんこしないで?! しようとしないでよ?!」
この状態からの一松はヤバイ、絶対にズボンを脱ぎ尻を出してうんこをしにかかるだろうと予想出来たナス子は先に一松に釘を刺した。
「そ、それにちゃんと・・・わかってるから、ね?」
「・・・それならいいけど」
答えた言葉に納得したのか、一松の様子は落ち着いたようだ。
ホッと一息つくと続けざまに十四松が喋る。
やはりこの六つ子は産まれた順に喋る事が決まっているのだろうか・・・。
「姉さん、ボク達は姉さんの事大好きなんだよ! だからセクロ・・・あ、間違えたー、あはは! 付き合って下さい!」
「十四松兄さん、いくらぼくらの頭の中がセッ×スでいっぱいだとしても告白中にそれはマズイでしょ~? ねぇ、ナス子姉? あ、でもさすがに6人と同時に付き合うとかってやっぱりナイ・・・よねぇ、なんならぼくだけを選ぶって選択肢も作ってくれてもいいからね?」
なんだろう、とても問題発言を聞いた気がするがナス子はそれよりも6人同時と付き合うと言う言葉に息が詰まる。
「待っ、待って! 本当に、皆・・・顔一回上げてくれない? 本当お願いします、この通りです!!」
こいつらに土下座をされると言うのはなんて気持ちがいいのだろう、ときっと以前までは思ったであろう。
しかし、今は状況が全く違う上に告白を受け、6人全員と付き合うなどと言われると混乱が生じ、自分まで土下座をする始末。