第55章 【逆ハールート】その後
「姉さんおはようございマッスルマッスルー!!」
「おはよう十四松・・・も、もうちょっと声のトーンを押えてくれると有難いッス・・・」
十四松も目を開けると元気に決めポーズをして相変わらずの音量で喋るが、二日酔いの身にはこの声のトーンはキツイ。
額を押えながらドウドウと宥めると十四松はアッと言う感じで袖で口を隠して笑った。
あぁ…皆、可愛いなぁ。
可愛いと言う表現は姉である自分にとってはよく思っていた事だったのだが、やはりその可愛いとは違い胸がギュっと締め付けられた気分になっていく。
「ん~~ふわぁ…?! あ?! 何で俺縛られてんの?! 動けないんだけど━━━!!」
「おそ松おはよう、お前は寝相が危険なのでチョロ松先生が縛り上げてくれました」
「はぁ? 何言ってんの?! 誰かちょっと?! これ解いてくんない?!」
まるで芋虫のようにジタバタと体をくねらせるおそ松を、誰も助けようとはせず、各々順番に洗面台へと向かった。