第54章 【R18】【カラ松ルート】その後
ぺちぺちと両手で頬を叩き、長い息を吐いて何とか自分の気を取り直そうと鏡の中の自分に渇を入れたその時。
背後の浴室の扉が開く音がして、ナス子が振り向くと、そこには一糸纏わぬ姿でこちらを見るカラ松がいた。
「━━━━一緒に・・・・・・入っても、いいか?」
「━━━━━━ は・・・・?」
疑問系ではあっても、その質問は答えを必要としておらず、カラ松は頭からシャワーを浴び、頭だけこちらを振り返り瞠目して固まっているナス子に近づき、背後から抱き締める。
「・・・・・・っ?! カっ・・・・・・カラ松・・・・! な、なに勝手に入って・・・・・!!」
背中に感じるカラ松の素肌の感触に、慌てて身体を腕で隠す。
振り向くわけにもいかず、狭い風呂場ではろくな抵抗も出来ずただただ身体を強張らせることしか出来ない。
「すまない・・・・その・・・・シャワーを浴びているナス子の姿を想像したら・・・・我慢、出来なくて」
ぐっと一層強く抱きすくめられ、お互い一糸纏わぬ姿で密着しているという事実と耳のすぐ側で聞こえるカラ松の熱が篭もった声に、脳が沸騰しそうになる。
「あ、あのっ、そっ・・・・それはっ・・・・でも、えっとえっと・・・・っ」
「ナス子・・・・、嫌だったら、いいんだ・・・・無理やりになんてしたくない・・・だから、全力で抵抗してくれ・・・・っ、全力で・・・・俺を突き放してくれ・・・っ」
「カ・・・・カラ松・・・・」
必死な声色に、今カラ松がどんな表情をしているのか、見なくてもわかった。
━━━━━━ 抵抗なんて、出来るわけがない。