第54章 【R18】【カラ松ルート】その後
「・・・・っ、わ、私お風呂入ってこようかなっ・・・! カラ松も、入るでしょ?」
ナス子の言葉に心底嬉しそうに笑うカラ松に、なんだか気恥ずかくなり、着替えを用意しながらそう言うと、カラ松の顔が赤くなる。
「え?! い、一緒にか?!」
「へ?! い、いやいやいや! 一緒には入らないよ?! あれ?! 今の言い方だとそういうふうになっちゃうのか・・・! ち、違うよ! 私が出た後に、ってこと!」
慌てたナス子も、カラ松に釣られたように顔を赤らめる。
「あ、そっ、そうだよな・・・!」
「そ、そうだよ・・・! あ、じゃ・・・・私、先入るから・・・!」
「あ、ああっ・・・・」
お互い顔を赤くしたまま、お互いの顔が見れず目を逸らす。
流れる空気に居た堪れなくなり、ナス子は逃げるように脱衣所へと移動し扉を閉めると、思わず大きく息を吐く。
顔を上げ、鏡に映る自分の顔を見てぎょっとする。
「うわ、ひどい顔・・・・私今までカラ松とこんな顔で喋ってたの・・・?!」
化粧は崩れに崩れ、アイシャドーやアイラインが目の下に落ち、ファンデーションはよれよれで思わず目を逸らしたくなるような顔。
たまに化粧するとこれだ・・・・。
化粧直しという習慣がないナス子は、今ばかりはそれに後悔する。
こんな顔を今の今まで好きな人に晒していたのかと思うと、恥ずかしさと情けなさでまた少し泣きたくなったが、そんな今更なことで、と気持ちを奮い起こし、乱暴に衣服を脱いで風呂場に入り、頭から熱いシャワーを浴びる。
クレンジングで化粧を落とし、顔を洗うと、それだけで身が軽くなる。
シャワーを浴びながら、鏡に映るすっぴんの自分の顔を見ると、なんとなくまだ頬に朱が射しているのがわかる。