第53章 【微エロ・逆ハールート】欲張り
では何故さっき、おそ松達は少し怒った顔をしていたのだろう。
顔を埋めたままいつも以上に回らなくなってしまった脳みそで考えるも浮かばない。
「どうしたのナス子姉~! ぼく達に会いたかったんでしょ? 顔隠してたらだーいすき!な、ぼく達の顔見えないんじゃないの? 顔上げてよ、ね?」
トド松に言われると、少しだけ顔を上げて視線を泳がす。
囲まれている。
最早逃げ場は上にマリ〇のようにジャンプするしか手立てはない・・・。
果たして自分はマ〇オのようにブロックを突き破り外に出られるのだろうかと、出来るハズのない思考をつい考えてしまった。
「やっと素直になったな、マイハニ~!さぁ、このカラ松の胸に飛び込んでくると━━━━━━━」
「ナス子、どうしてずっと居留守なんて使ってたの?」
カラ松の言葉も空しくチョロ松に被されるがいつもの事なのでカラ松がん~?となりながらも黙ってしまった。
「だからぁ・・・会ったらも~っと好きって・・・なっちゃうし、皆を選べない強欲で理不尽な私を・・・き、嫌いになるんじゃないかってぇ…」
「・・・まぁ、そう思ってるとは思ったけどね、アンタの場合は、どうせ自分なんかが~とか思ってるんでしょ? 馬鹿馬鹿しい」
一松に思っていた事を当てられてしまうと、目を見開いて動きが停止してしまう。
「姉さんは馬っ鹿だよねぇ? ぼくらの気持ちに気づいて、自分の気持ちにも気づいたら逃げちゃうとかさぁ、ここはもっと素直に・・・皆が欲しいの~! とか可愛く言っちゃえば童貞でクソでウンコな兄さん達でもコロっと絆されるのは目に見えてるのに!」
「おい末っ子ぉ、お前何自分だけその中に入ってないみたいな言い方してんだよっ! お前だって一緒だろ?!」
「さすがドライモンスター、手口汚いよねぇ」
「ん?ぼく何か変な事言ったかな??」
「だからその澄んだ瞳でコチラを見るのはやめなさい!」