第53章 【微エロ・逆ハールート】欲張り
「ヨイッッショ━━━━━━━━━━!!」
「わぁっ!!・・・いってて」
ドサリと自分のマンションのリビングの床に下されると、ナス子は尻もちをつき、じんじんとするお尻を摩った。
真ん中のコタツは何故か隅に片付けられ、尻もちをつき床に屈むナス子を6人が立って円になって見下ろしている。
何このカゴメカゴメみたいな配列は・・・
その様子からナス子は会いたくて仕方なかった六つ子にドキドキが治まらないでいるが、汗がタラリと一筋落ちる。
いくら酔っ払っていると言えど、大の男6人に囲まれ、しかも仁王立ちで見下ろされたら、どんなに好きな相手でも怖いと思うのは普通ではないだろうか。
「あの・・・っ、なんれ・・・なんで私があそこにいるって・・・」
「簡単だよ!!姉さんの匂いがしたから!」
あぁ、なるほど・・・コイツの嗅覚か・・・。
隠れん坊をしたら絶対に鬼にしたくないタイプである。
自分が見下ろされているのが居た堪れず、膝を抱えてその人物達の顔を見ないよう膝に顔を埋めた。
すると周りにいる人物達も、ナス子を囲むようにして円のままその場に腰掛けた。
「な~、お前さぁ! 俺たちの事好きなんだよねぇ?」
ハッキリと告げられるおそ松の言葉に、ピクリと肩が動く。
まだ酒が回っているからなのか、素直に顔を埋めたまま返事をしてしまうも、顔を見るのはやはり恥ずかしいと思ってしまう。
「うん・・・好き、だいすきー・・・馬鹿でクソでウンコでニートで童貞のあんた達でも・・・好きで好きで好きで仕方ないんだよ・・・どうしよぉ?」
「えぇ?! 俺に聞いちゃう?! ってか酔っ払いの癖に相変わらず口悪いよなぁ、お前~」
はぁ、というおそ松の溜息。
先程まで怒っているのかなと思っていたのだが、今の態度はまるでいつもと同じだ。