第53章 【微エロ・逆ハールート】欲張り
「えらべないよぉ・・・だって、選んだら他の皆とはあんなふうには一緒にいられなくなるでしょぉ・・・我儘だって思うし、自分あざといなぁ・・・とか思うけど、もういっそこのままバレずになんとか7人で楽しく過ごせないかなぁ~・・・ねぇ、チビ太ぁ~」
「うーん、あざとくって言っても姉さんにはちょーっと頭が足りないかな? そんな残念な頭じゃどう考えても考えるより先に行動に出ちゃうタイプでしょ? ぼくみたいに可愛くて頭の回転が速くてちゃーんっと自分の事をわかってる人じゃないと・・・難しいよね!」
チビ太がまさかのあざとさまで指摘した上に、まるであの乾物のような事を言ってきている。
お酒の効果って幻聴まで聞こえるのか、凄いなぁー・・・。
でも幻聴でも聞こえるこの声は嬉しいなぁー・・・
一向に体はテーブルに突っ伏したまま、フワフワとしたお酒の感覚にやられ、段々虚ろ虚ろとしてきていると今度は背後から誰かにお腹を引っ張られ後ろから抱きしめられてしまう。
「・・・・・・・・・・・・・うぇ!?!!」
「ナス子だめじゃないか、こんな時間に一人で出歩いたら。前の旅行の時も俺が言ったばかりじゃなかったか? いくらチビ太の店に来るにしても、レディの深夜の一人歩きは危険だぞ?」
「か、カラ松」
やっと突っ伏した状態から体を起こされ、声の人物を振り向いて見ると、そこにはカラ松が心配そうにも少し怒ったような表情でナス子を見下ろしている。
その周りを、ボケっとした思考のまま見回すと、あんなに会いたいと思っていた六つ子達がそこには立っていた。
そしてチビ太は何故か猿轡を噛まされ縛られている。
勿論凄く激怒しているのがわかった。
「・・・・チビ太ぁ?! じゃ、じゃあ私がさっき話してた相手って・・・・・・・・・」