第7章 ラーメン食べよう〜六つ子と私
「姉さん?!?!」
ひっっっ?!十四松?!
え?!嘘っ、見つかった?!声は完全に変えていたはずっ!
よりいっそうメニューに顔をくっつけるようにして必死に隠れる私。
「何言ってんの十四松兄さん、僕らと店員のおっさんしかいないでしょ」
「姉さんの匂いする!」
「姉さんって、ナス子のこと? さすがにないでしょ・・・気のせいでしょ」
そうそう、ないない!気のせい気のせい!ナイスいちまっちゃん!
か〜〜〜!ったく心臓に悪い・・・ラーメン早く来ないかなぁ
さっさと食べてささっと帰りたいんだけどなぁ
「はぁ・・・店の人には悪いけど、やっぱり帰ればよかったなぁ・・・」
「姉さんお疲れっスか」
「まぁねぇ・・・仕事帰りだし・・・」
「おつかれさまです!!」
「ありがとー十四松・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・十四松?」
「ハイ! 十四松でっす!!」
なんでええええええええええええええええ?!?!?!
は?!なんでどうして十四松?!どうしてアナタは十四松なの?!
パニック!私はパニックだ!
十四松、アンタ瞬間移動でもした?!絶対いなかったよね!
ちゃんと皆と一緒にいたでしょ?そうだったでしょーーー!!
私は完全に驚愕顔のまま停止した。
「コラコラ十四松、他のお客さんに迷惑かけたらダメだよ。すみませんね、お・・・って、ナス子姉? なんかスゴイ顔で固まっちゃってるけど・・・」
「チョロ松兄さん、やっぱり姉さんいたよお! 匂いしたもん!」
「お前どういう嗅覚してるわけ? ちょっと、ナス子姉?・・・オイ!ナス子ってば!」
「ハッ!!」
チョロ松に肩を揺さぶられると、我に返った私は瞬時に状況を理解する。
見つかってしまった。
こうなってはもう腹をくくるしかない。