第53章 【微エロ・逆ハールート】欲張り
その時は、逆に自分が彼らを意識してしまっていたのだが・・・。
今はその自分の感情と共に、松野家六つ子までもが自分を女性として見ている・・・のではないだろうかと考える。
これはまだナス子の思い込みであり、確定とは言えない。
だがもしこの感情が自意識過剰だったとしても・・・
答えは一つ。
普段はマイナス思考で、自分なんかが・・・と思ってしまうナス子だが、様子がおかしくなってしまった弟達と顔を合わせる事ができない。
本当は今すぐにでも会いに行きたい。
遊びに来てくれた時は、喜んで扉を開いてしまいたい。
LIMEだってちゃんと返したいし・・・。
皆の声だってもっと近くで聞きたい。
目をギュっと瞑り、脳で葛藤するも自分自身への自信のなさから一歩前へと踏み出せないでいる。
シンと静まり返った部屋の中は、静かで外から車の音や鳥の声が聞こえた。
そんなとても平和な日常に違和感すら覚える。
出来る事ならこれからも、ずっと一緒に・・・いっそ離れられなくなればいいのに。
目を瞑ると眠くなった思考からまさかの感情が顔を出す。
いつものマイナス思考やネガティブな感情が、自分の沸いている好きなのではないか?と言う感情にブロックを敷き詰め必死に止める。
相手からの愛情表現から逃げろと危険信号を鳴らした。
【怖い】
と、思ってしまったのは自分の心と体が六つ子を男性としてしか見れなくなってしまったからだ。