第52章 【チョロ松ルート】ステップアップの方法
「!」
「そうだよねぇ、まだ自問自答したり葛藤したりライジングしてるくらいなら、もういっその事チョロ松兄さんは脱落してくれた方がぼくらにとっては嬉しいんだけど?」
脱落━━━━━━━・・・それは兄弟達にナス子を諦めろと言われてるも同じように聞こえた。
「いや、待って! そうじゃない、そうじゃないんだよ・・・ただ」
「ただなんだよぉ、ハッキリしない気持ちのまま告白なんて男としてどうなのよ真面目なチョロ松く~ん」
「‥‥‥‥」
その言葉に大きく心臓が揺れた。
自分はなんて身勝手で、なんて我儘なんだろうかと。
ただ夢を見て、薬でおかしくなってそれで自覚したようなものの感情、果たしてそれは本物だったのかわからない。
しかし最近会いに行くナス子がいつもより可愛く見えてしまうのは一体なんなのかと眉を顰める。
「ごめん、今日は僕が行くから・・・みんな邪魔しないで」
そういうと、立ち上がりスタスタと襖を閉めて部屋から出て行った。
「あーあ、チョロ松兄さんって本当に面倒臭い性格してるよね~」
「自分の中で納得しないと動けないってのも難儀なもんだよなぁ・・・まあ今日くらいは我慢してやるかー」
チョロ松の今日は僕が行くと言う発言で、皆がチョロ松がどこに向かうかはわかっていたが、誰も邪魔する事なく今回は見逃す事にし、今日の松野家六つ子の恒例会議は終了した。