第51章 【十四松ルート】ジャンル名:十四松にハマる
「姉さん、どうしたの? 何かドクドク聞こえるような・・・」
「ハッ! べ、別になんでもないよ? 私の喉の音じゃないかな!? たまに喉がドクドク鳴るんだよ私っ、ほら! カピバラって鳴くからね!!!」
適当な理由を述べて十四松に悟られないようにするも、十四松もさすがにそれはないと思ったらしく首を傾げる。
「カピバラって喉ドクドクさせないよねぇ? さすがにボクでもわかるよ!」
「もー、いいから離してよー! ねーるーのー!!」
腕の中でジタバタと暴れ出し、十四松も仕方なくナス子の身体を離した。
こんなにも大好きで、もっと触れたいと思うしキスしたいのに、どうして自分の思いは告白しても伝わらないのだろうと少し不服に思う。
「姉さん、大好きだよ?」
「うん、私も大好きだよ・・・これ言ったよ! いつも言ってるよね?!」
「んー・・・だから姉さんが言う好きとボクが言う好きは違うんだよきっと!」
首を傾げてナス子に伝えるも、やはり流されてしまう。
いつも大好きって伝えすぎているのがいけないのかな?と考えるも、好きなら好きと伝えたい十四松はキモチを押える事は出来ない。
「姉さん、ボクも一緒に寝ていい? ほら、ボクの腕空いてまっせー!」
十四松が自分の腕をペシペシ叩くと、目の前の相手は顔を赤くして首を振った。
「今日はちゃんと布団で寝るからいいですっ、ありがとうございあーす・・・」
「え~、つまんないなぁ・・・」
しょぼくれる十四松の頭を一撫ですると、十四松はすぐに表情が変わり嬉しそうな顔をする。
なんと単純な可愛い弟なのだとナス子は思ったが、コイツは油断してはいけない人物だともう一度心の中で釘をさす。
「いい? 本当に寝るから、ぜ━━━━ったいにキスはダメだよ?!」
「あいっ! りょーかいしやしたぁ!!」
本当に伝わったのか伝わってないのか、十四松と言うジャンルが長い付き合いでもわかっていないナス子だが、とりあえず約束はさせたので安心して布団へ潜ると、疲れていた体のおかげですぐに眠りについた。