第50章 【カラ松ルート】レンタル彼女、始めます
「・・・・・・恋人同士って言うなら・・・・・・それはカラ松のほうでしょ・・・・・・いつから付き合ってたの? えっと・・・モブ菜さん、だっけ? すごく綺麗な人だよね、ホント」
自分でも驚くほど不機嫌な声色になってしまい、それを隠そうと必死に取り繕う。
すると、どうしてか言われた方のカラ松もまた少しトーンを落としたが、不機嫌というよりは困惑したような声色で答える。
「・・・・・・じ、実は・・・・・・あの人は、彼女は彼女でも・・・・・・その・・・・レンタル彼女、なんだ・・・・」
「━━━━━ は? ・・・・レンタル彼女って・・・・前に、アンタ達全員が騙されたっていう・・・・・・」
「そっ、それとはまた別でぇ・・・! 本物の・・・・あー、こういう言い方は正しいのかわからないが、プロのレンタル彼女なんだ・・・・金を払って、その料金の分だけ、彼女として接してくれるサービスだ」
「・・・・・・・・・・・・偽者・・・・って、こと?」
唖然としたナス子がそう言うと、カラ松はバツが悪そうに頷く。
その様子が、その話が本当であることを証明していた。
元々、カラ松は嘘を付くのが得意なほうではない。
ナス子も、それをよく知っている。
「・・・っなんでそんなことを・・・・・・」
脱力して、思わずこたつのテーブルに顔を突っ伏す。
「俺なりに、確かめたいことがあってな・・・・騙すようなことをしてすまなかった。謝らなければならないのは俺のほうなんだ」
申し訳なさそうに謝るカラ松を、ナス子は見ることが出来なかった。
こたつに突っ伏したまま、真剣に謝っているカラ松に対し、不謹慎にも喜びのほうが勝ってしまい、ニヤついてしまいそうで顔が上げられない。