第50章 【カラ松ルート】レンタル彼女、始めます
「ううん・・・・・・私こそ、泣いたりしてゴメン・・・・・・」
二人して一息つくと、カラ松が話の続きを話し始める。
「怒っては━━━ ・・・いや、怒ってはいたんだが・・・・それはナス子に怒っていたわけではなくて、その・・・・・・なんと言えばいいんだろうな・・・・」
「私が、何かカラ松の気に障るようなことを言っちゃったんでしょ?」
「あー・・・・それはそうなんだが・・・・・・、ナス子、先に一つ聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「う、うん・・・・」
「一松とは、いつからああいう関係になったんだ?」
何を聞かれるのかと一瞬不安に思ったナス子だが、質問内容の意図がわからず首を傾げる。
「え・・・・・・え? いつから、とは」
「━━━━━━ 付き合っているんだろう?」
「━━━━━━━ は?」
思わず素っ頓狂な声を上げて、カラ松を凝視する。
だがカラ松は至って真剣な表情でナス子の返事を待っている。
我に返ったナス子は質問に対してブンブンと強く首を横に振ってそれを否定する。
「つ、付き合ってないよ?! なんで突然そういうことになるわけ?! たまたま買出しに行く途中に会って、そのまま付き合ってもらっただけだよ! あ、付き合うってそういうこと?! ん???!」
「・・・・・・・・・恋人同士になったんじゃないのか?」
「なにそれ?! 誰が言ったの?! ちっ、違うよ! 一松のことは好きだけど、そういう好きじゃないし・・・・・・っ」
「━━━━そう、なのか・・・・・・?」
訝しげに確認してくるカラ松に、今度は首が取れるのではというぐらいの勢いでブンブンと縦に振る。
その様子に、カラ松は視線を逸らして何か考えこんでしまう。
黙ってしまったカラ松の顔色を窺うが、その表情からは何も読めない。
恋人同士だなんて、何故突然そんな誤解を・・・・・・。
そう思い、ナス子はふとカラ松の彼女が脳裏に浮かぶと、少し浮上した気分が再度深く沈んでいく気がした。