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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第50章 【カラ松ルート】レンタル彼女、始めます



「・・・・・・ずっと二人でいたのか・・・・・・こんな時間まで」

 低い声で、まるで責めているかのようにそう言われ、思わず肩を竦める。

 カラ松が、怒っている。
 理由はわからないが、その怒りは自分に向けられているということは理解出来た。

 バッグを持つ手をぎゅっと握り締め、震えそうになる足に力を入れる。

 背中でそんなナス子の気配を感じ、一松はポケットに突っ込んでいた手を出し、後ろ手にナス子の手を握る。
 突然手を握られて驚いたナス子は、咄嗟に手を離そうとするが、一松の力が強く、それは叶わない。
 一松が嫌なわけではない。
 そうではなく・・・・・・

 ━━━━ カラ松が見ているのに。

 そんなことを思ったことは一度としてなかったのに、今は一松と手を繋いでいる自分の姿を、カラ松に見られたくないと、ナス子は強くそう思っていた。

 ぎゅっと眉を寄せ目を閉じたナス子が俯くと、カラ松がまた何か言おうと口を開くが、それは先に言葉を発した一松によって遮られる。

「そうだけど。なんで? 俺とナス子が二人で何処で何してようと、お前に関係ないよね」

「一松・・・・・・お前には聞いていない。俺はナス子に聞いているんだ、邪魔をしないでくれないか」

「はぁ? お前何様なわけ? ・・・何をそんなにイラついてんだか知らないけど、お前はそんなこと聞ける立場でもなければ権利もねぇよなぁ」

「一松・・・・・・!」

 一瞬にして、二人の間に一触即発の気配が漂う。
 総毛立ちそうなピリピリとした空気に、繋がれた掌からじっとりと嫌な汗を掻くのを感じる。

「━━━━━━━ あ、のっ!」

 ナス子が思い切って声を出すと、二人の間に漂っていた空気が若干緩む。
 カラ松と一松、二人の視線を浴び、一度ごくりと唾を飲み込むが、意を決して言葉を続ける。
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