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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第50章 【カラ松ルート】レンタル彼女、始めます


 
 踵を返し、足早に去っていく二人の後姿を見送る一松。
 カラ松と腕を組んで歩く女が、一度だけこちらを振り向いたが、特に気にする事もなく一松は視線をナス子へと戻す。
 ナス子は視線を自分の持つ食べかけのドーナツに落とし、しばらく二人の間にはただ沈黙が流れる。

 さっきまではすごく良い気分だったのに、とそんなことを思い、一松は小さく息を吐いた。

 すると、ドーナツを見つめるナス子の目から、ほとほとと涙が零れ始める。

「・・・・・・・・!」

 ぎょっとする一松。
 おろおろと首をキョロキョロさせ、自分の甘い飲み物を一口飲んで、静かに口を開く。

「・・・・・・なんで泣くの」

 不用意にそう聞いた自身の質問を、一松は次の瞬間後悔することになる。

「一松・・・・・・私、さ・・・・・・」

「・・・・・・?」

「━━━━━━━カラ松のこと、好きみたい・・・・・・っ」

 ドーナツを見つめていた視線を、こちらを瞠目している一松へと移し、眉を八の字に寄せて、細めた目からなおも涙を流しながら情けなさそうな表情で、ナス子は笑った。
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