第50章 【カラ松ルート】レンタル彼女、始めます
その日、散らかった自身の部屋の中を見つめ、ナスナス子は頭を捻っていた。
「おかしい・・・・・・どうしてこんなに部屋が散らかってるんだろう・・・・・」
ナス子の部屋が散らかる原因は、出した物を出しっぱなしに、使った物を使いっぱなしにすることなのだが、部屋が散らかっている人のほとんどはそれを自覚出来ていないことが多い。
片付けたはずだ、元に戻したはずだ、もしくはまたすぐに使うから、と何かと理由をつけてそのままにしてしまうのが理由の多くだろう。
それでも、最近はここまで散らかることはほとんどなかったはず。
むしろ散らかっていてもここまで気にならなかったはずなのだが、どうしてなのか。
考えられる理由は一つ。
カラ松が片付けてくれていたからだ。
ここ数日それがなく、部屋が散らかっていった為、片付いている事に慣れて来てしまっていたナス子は乱雑となった部屋を見て少し不快に感じたのだ。
「カラ松・・・・・・忙しいのかな」
ニートな松達に忙しいも何もないとは思うのだが、そこは人それぞれである。
カラ松はナス子の仕事のスケジュールを把握している為、仕事の日はほとんど来ることはないが、ここ数日何度かあった休みの日にも、顔を見せていない。
「・・・・・・ま、いっか! たまには自分で綺麗にしよう! 自分の家だもんね!」
もやりとした心を吹き飛ばすかのように、わざと大きな声でそう言うと、休日にも関わらず、いつものようにダラけるのをやめ、家の片付けと掃除に取り掛かるのであった。