第49章 【一松ルート】マイナス端子の恋
「私の事嫌いじゃない・・・よね?」
まだ一松の反応だけでは信用出来ないようで、ナス子は自身なさげに上目遣いに一松の様子を伺う。
「それさっき聞かなかったっけ?」
「でも答えてない」
「そうだっけ?」
そんな表情をされたらどうしたものかと一松はキモチと体が疼く。
虐めたい気持ちが沸々と沸いてくるが、今は真剣に聞くべきだと思い、必死に今の気持ちを隠した。
「嫌いだったら今この家にいないでしょ」
その言葉にナス子は安堵し、ホッと溜息をつく。
「お前は・・・どうなの?俺の事怖いとか・・・嫌だとか思わない訳?」
逆に質問され、突然の言葉に顔が赤くなる。
ナス子が伝えたい事を逆の言葉で返された気分だ。
初めて一松にキスをされた時、同じような事を言われたな、と考える。
だがしかし、その時に感じていた一松への想いと、今の想いでは全く違う。
「怖くないし、嫌なんて思わないよ!私は・・・一松がっ」
「幼馴染で弟として好き、でしょ?」
「・・・~~~~~~~な、なんっでそう・・・」
自分が普段言い続けた言葉ではあるが、そう言われてしまうと突然ムカついてきて悲しくなる自分がいた。