第49章 【一松ルート】マイナス端子の恋
既に辺りは暗くなりあっという間に夜の時刻。
一松は一人公園の滑り台の下に座り込んでいた。
「はぁ・・・」
俺は一体何をしてるんだろう━━・・・
あの日、ナス子に告白すると皆の前で言った癖に、結局自分はまだ告白どころか会いにすらいけなくなってしまった。
こんなに好きで会いたいと思っているのに、自分に自信が持てず、ナス子の顔を直視する事すら怖くなっている。
しかも薬の一件でほぼ本音をぶちまけた上、薬の効果が切れていた事に気づかずナス子に言ってしまった言葉や行動。
おそ松の言うように、自分が一番ナス子を怖がらせたのではないかと自負していた。
嫌われたらどうしようじゃなくて・・・もう嫌いになってるかもしれない。
元からクズでニートで燃えないゴミカスな自分なんかが、ナス子に告白した所で困らせるだけ。
ナス子の性格を考えると、変に遠慮したり怖がったり、気を使ってくるに違いないと一松は考える。
自分が何をしたいのか、ナス子にどうして欲しいのか、考えれば考える程よくわからなくなってきている。
好きだ、愛してる、会いたい、抱きしめたい、キスしたい
色々な感情が邪魔をする。
封印しようとした気持ちは結局押えられなかった一松だが、それでも勇気はまだ出ない。
いっそあの馬鹿長男みたいに俺も素直に言えたらなぁぁ!
と思うが無理。
自分はあんなに明るく、馬鹿にはなれないし、人を引っ張っていくような存在じゃない。
「死にたい」
一松は、考えれば考える程、ナス子に告白するには相応しくないのではと落ち込み、膝に顔を埋めた。
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