第49章 【一松ルート】マイナス端子の恋
正座したままズボンの布をグッと拳で握った後・・・
パァァ━━━━━━━━━━ン!!!
ナス子は両頬を渾身の力で叩く。
頬に真っ赤についた手形がまるでどこかの民族のようにもなっているが、そんな事はお構いなしに立ち上がった。
「ごめん皆!! 私行かなきゃ!」
「え、どこへ? ナス子姉遊びに来たんじゃな・・・ってえ?帰んの?!」
「何しに来たのお前えぇぇ?!」
玄関に向かい急いでナス子は靴を履くと、後ろから聞こえるおそ松やトド松の方向に向きなおしハッキリと言葉を告げた。
「ごめん、一松に会いに行くの!!」
「「「「はぁ━━━━?!」」」」
ドタドタまた足音が聞こえたが、もう振り返る事はなく、あてもない道をナス子は走り出した。