第49章 【一松ルート】マイナス端子の恋
挨拶が済み、早速一松と話を・・・と思ったナス子だが、そこにいたであろう一松の姿はなく、またも五人だけの松達が立っていた。
「あれ?一松は?」
「え?おかしいな、さっきまでいたんだけど・・・」
ポカンとしたナス子、そしてチョロ松。
「まぁまぁ、とりあえずナス子も座れよ~」
おそ松に肩を抱かれたナス子はいつものように強制的に座らされいつの間にか全員が食卓を食べているのを見ているだけになった。
自分は一松に会いに来たハズなのに何故この五人、いや、チョロ松は食べ終わっているようだから、四人の食卓シーンを見ているのかと謎である。
「皆、一松どこ行ったか知らない?」
「一松兄さん?さっきまで一緒にご飯食べてたけどもう食べ終わったみたいだね。食器片付いてるし」
「兄さんならさっき庭から出てったよー!!」
「えええぇ?!!」
折角チョロ松が一松を呼び止めようとしていたのだが、それも遅かったようでどうやら一松はナス子の声を聞き外へと逃げたようだった。
「え、ナス子一松になんか用?アイツ今なんか知らないけど機嫌悪いから近寄らない方がいいよぉ?」
「それはお前が煽るからそうなったんだろうが」
一松の機嫌が悪いと聞いた途端、ナス子の心臓がズキリとする。
頑張ってここまで来たのに、やっぱり自分の事を嫌になって避けているのではと不安がまたも出てきた。
「・・・・・・~~~っ」
チョロ松は心配そうな顔でナス子を見るが、他の松達はまたも意味のわからない会話を繰り広げている。
しかし今のナス子にはその言葉は申し訳ないが全く聞こえておらず、頭の中は一松の事でいっぱいだ。