第49章 【一松ルート】マイナス端子の恋
何事かと玄関に横に勢ぞろいの松達の中、一人状況を知るチョロ松が口を開く。
「思ったより早かったね、ナス子、鶏かと思ったよ」
「緊張してるんだからしょうがないでしょ!」
「はぁ? ナス子?! なんで急に遊びに来た訳?! もしかしてチョロ松となんかあったんじゃないよね?! 抜け駆けとかしてないだろうなぁチョロシコスキー!!」
「だからチョロシコスキーって誰だよ! なんも抜け駆けなんかしてないって!」
「そうだぞ、おそまぁつ、ナス子はこの俺! そう、カラ松に会いたくなって我慢できずにここへとやって来たんだ・・・そうだろぉ~?ビンゴォ~?」
「ノービンゴだね」
ナス子がサラリとカラ松を交わす。
「そうだよね、こんなイッタイ兄さんになんて自分から会いに来ようとは思わないよねぇ~!ナス子姉は僕に会いに来てくれたんでしょ♪お化粧のやり方とか可愛い服とかショッピングに付いて来てほしいのかなぁ?」
「違うし!! お洒落興味ないしっ!」
そしてナス子は目の前にいる松達を端から見回すも、目の前に立っているのはいつもマンションに尋ねてくる五人。
目当ての人物はここにはいないようだ。
「チョロ松、一松は?」
騒がしい松達全員を相手にしていると埒が明かないと思い、受け流しつつも事情を知っているチョロ松に話かける。
「ああ、中で飯食ってるよ?」
「あ、ごめん!! 今夕飯の時間だったんだね、もうちょっとズラして来ればよかった」
「今更じゃない?いつも関係ナシに遊びに来る癖によく言うよ」
「そ、それは昔の話ですから!!」
若干他の四人からの視線が痛いが、チョロ松は気にせずナス子を家に招きいれると、皆も一緒に食卓に戻って行く。