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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第49章 【一松ルート】マイナス端子の恋



「あ~あの時ねぇ、あの時は一松がいっちばんわかりやすかったもんな! なんて言ってたんだっけぇ? さすがにアレはナス子も一番怖がってたんじゃないの~? もしかして一松も怖がられた事が怖くて会いに行けないとかぁ? んなははは」

「おい、今そういう事は言うなって馬鹿長男!」

 チョロ松の静止も空しく、一松が突如立ち上がりおそ松の胸倉を掴む。
 そう、一松は先日の薬の一件で、ナス子に本音をぶちまけた。
 おそ松が言った通り、その際にナス子を怖がらせてしまい、その事が一松の中で大きく尾を引いていた。

 伝わらないだけならいい。いつかは伝わるかもしれないし、伝わらないなら伝わらないで、ただずっと好きでいればいいだけだ。
 たとえ、ナス子が誰か他の兄弟と付き合うことになったとしても、思うだけなら自由だから。

 だが、嫌われたり、怖がられたり、避けられたりするのは━━━━

 それは、無理だ。
 考えるだけで、心臓が粉々になる気がした。

「おい、おそ松! 今のはよくないぞ、一松に謝るんだ!」

「黙ってろクソ松・・・・・・!」

 庇ってくれたカラ松など意に介さず、なおもニヤつき余裕ぶる長男の態度になのか、自分の気持ちを的確に指摘された悔しさからなのか、赤いパーカーを掴む拳が小さく震える。

「なぁに~? いちまっちゃ~ん、俺に喧嘩売ってんのぉ? 俺も今ちょーっとイラついてるから喧嘩なら・・・・・・・・本気で買うぞ、一松」

 ニヤついた表情を一変させ1トーン低くなったおそ松の最後の台詞に、一松は拳に強く力を入れるが、そのまま睨み合うと、舌打ちをして乱暴にパーカーを掴んだ手を離す。

「・・・・・・・・・っクソが!」

 かろうじて一言そう吐き捨てると、一松は荒い足取りで部屋から出て行ってしまう。

 残った兄弟達は、微妙な雰囲気に居心地の悪さを感じながらも、黙って一松の背中を見送るのだった。
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