第1章 平穏な日々に嵐はやってくる~おそ松~
二人でお茶をすすりながらもらったクッキーを食べる。
サクサクホロホロっ・・・と口の中で軽やかにほどけ、直後にくる甘い香りと繊細な甘味・・・
「「なにこれウマっ」」
あ、シンクロした。
「チッ」
あ、つい本音の舌打ちが出てしまった。まぁでも顔そらしたし音も小さかったし、聞こえてないよね。
「聞こえてるからね?舌打ち聞こえてるからね~? シンクロとか俺ら相性いいねぇー
なんだったら布団もあるしこのまま結合でも…」
「は?」
私の顔はとても醜く歪んでいたのだろう、間髪入れずに真顔になったおそ松が突っ込んでくる。
「お前その顔やめたほうがいいよ~? 男はおろか人間も動物も近づいてくれなくなるよぉ?」
「大きなお世話です~~~私の相手は生涯二次元一択!それに限るっ」
「またその話ぃ? だからお前は彼氏できねぇんだよ。んー、美味♪」
「おそ松には関係ないでしょ? いいの。
二次元は裏切らないし私をキュン死に世界へと導いてくれるんだから
ていうかそういうあんた達だって彼女いた事ないじゃん。私の知る限りでは、だけどね」
「こんだけ頻繁に会ってりゃ察するだろ? ま、お前相手に俺のチン〇は反応しないけどな!
だーっはっはっは!」
むかつくヤロウめ。
まったくお互いを異性と感じる事がないからこそできる下世話会話。
別におそ松の事を嫌ってるわけじゃないし、六つ子全員幼馴染として好きだし。
ただ、関わると面倒と思う事が多いだけ。
こういう日常的な馬鹿会話をしてるのは嫌いじゃないけどね。
「そういや前にレンタルかの、なんだっけ?」
ニヤニヤしながら私が口を開く。
「ハァ~?」
顔が嫌そうに引き攣るおそ松。
その顔に少し気分がよくなった私は、先ほどの仕返しのつもりでニヤついたまま言葉を続ける
「レンタルでも一時は彼女いたって事じゃーん? い・ち・お・うv相手の中身が男でも見た目は超絶いい女なんだし良かったじゃなーい」
おそ松の目を見ながら含み笑いをして、してやったり顔をしてやった。
っていうか、割と真面目にアホだな~、童貞だな~って思ってるんだけどね、この話に関しては。
「馬鹿言うなよ、確かに見た目は超可愛かったし美人だったけど正体はイヤミとチビ太だぞ?
もうそれ知っただけで熱も一気に覚めるっつーの」