第49章 【一松ルート】マイナス端子の恋
最後に会った日から数えてみても、明らかにおかしい。
いくらおそ松がスペアキーを持っていたとしても、一松はそれでもちゃんと遊びに来てくれていた。
それが何故突然━━━━━━━・・・
寝ようと思っていたナス子だが、気になりだすともう止まらない。
体調でも崩してるのかな・・・皆に聞けばよかった。
そう思ったナス子だが、ハッとある事を思い出す。
━━もしかして、自分が六つ子・・・そう、一松の事も、同じく男性として意識してしまった事に気付き、幼馴染で姉のような存在だったであろう自分の事を、気持ち悪いと思って嫌になってしまったのではないかと、そんな可能性が脳裏を過る。
重く、ズクリと胸が痛む。
その痛みは止むことはなく、ナス子の心臓を締め付け続ける。
「・・・寂しいなぁ」
沸いた感情をポツリと声に出すと、またその言葉が胸に染み込み寂しさが増すばかり。
会いに行って確認したいとも思うが、もう深夜だ。
もし会えたとしても、もし一松に拒絶されたらと考えると怖くなった。
こんなに長い付き合いなのに今更何を・・・とは思うが、ナス子の心の中で、一松の存在は確実に変化しつつある。
今はその事を知る人物など、ナス子自身も含め、どこにもいなかった。