第48章 【トド松ルート】小さな努力
思いは重なっているが、自分達がおかしい事が中々理解出来ない。
「ト、トド松、は・・・あの、なんで最近ウチによく来るようになったの? 前はこんなに頻繁には遊びに来なかったよね・・・?」
緊張したままの二人だが、その緊張と無言の空気に耐えられず、ナス子が痺れを切らしジェラートを食べながら相手の顔を見れずに質問をした。
「・・・・・・・まだ気づいてないの? 鈍いよねぇ、ほんとに」
質問された言葉に、先ほどの自分の言葉はナス子に届いてはいないのだろうと諦めると、空を見て目を細めた。
どれだけ言えば、どれだけ女の子が喜ぶ事をすれば、伝わるのだろう━━━━。
「鈍くない・・・つもりだけど、でももし自分が変に勘違いしてたら嫌だし、怖いって言うか」
「だったらわかってるの? ぼくがナス子に言いたい事」
思っていたよりもいい反応が返ってきた事に、一瞬目を見開くも、やはりトド松は素直にナス子の目が見れない。
空を向いたまま目を瞑り、意を決したように自分の気持ちがちゃんと伝わっているのかともう一度確認をする。
「トド松が最近、乾物から少し甘味な雰囲気になったと言うか、私に対しての対応が凄く変わった気がして・・・それで」
「・・・うん、それで?」
どうせもう返事はわかっている。
お決まりのようにこちらが期待しても期待外れな事を言うのだろう。
相手は残念で鈍くて原始人のナス子姉さんな訳だし。
「もしかしたら・・・トド松は・・・」