第48章 【トド松ルート】小さな努力
そんなある日の事、珍しくLIMEでナス子に呼び出されたトド松。
急なLIMEと呼び出しに、若干でも心を踊らさせながらナス子の家へと向かう。
勿論今日もお洒落をして、女の子が喜びそうな、細やかなバスグッズのプレゼントを手にしながら・・・。
「トド松いらっしゃい、よく来てくれたー!! いきなり呼び出しちゃってごめんね・・・、忙しくなかった? ・・・って忙しくないか、ニートだしっ」
「ナス子姉、いきなり呼び出しておいて開口一番にそれぇ? もうちょっと可愛い反応出来ない訳? トッティ、会いたかったよ、トッティ!! とかさ~・・・それにいくらニートでもぼくにだってプライベートはあるんだしいつも暇してる訳じゃなからね!」
「あ、ごめんごめん!そうだよね、トド松は他の女の子とデートとかするし他の5人とは違うもんねっ」
他の5人とは違うと言われると、少し優越感が出てくるトド松だったが、焼きもち一つ焼かない姉の様子を見ると、やはり自分はまだ一人の男性として意識どころか、恋愛対象にすら選抜されていないのだろうと思うと死んだ目に変わる。
「どしたー、トド松? あ、さてはまた何か生意気な事でも言おうとしてるんでしょ?! 全くトド松は末っ子の癖にいっちばん酷い事をサラっと言うからね、油断ならないよねぇ」
「別にそんなんじゃないから! ああ、あとこれ、はい!あげる」
機嫌を損ねながらも持ってきたバスグッズを差し出すと、ナス子はポカンとした表情でそれを受け取る。
「バスグッズ? へぇ、可愛いねこれ! 一つ一つ小さめで色んなボディソープ入ってるんだぁ」
お、今日は珍しく予想以上の反応じゃない?これ━・・・
「ありがとう、トッティ!! いつもは使わないような香水とか育てられない花とかよくわからないぬいぐるみとか、置物とかもらって嬉しくない訳じゃなかったけど・・・置き場所に困ってたから・・・こういう日常的な物をもらえるのは助かるし嬉しいよ!!」
「ぼくさ、乾物って言葉、姉さんも人の事言えないと思うんだよね・・・」
玄関先で立ち話をしていたが、ナス子に手を引かれまたも溜息を吐きつつ中へと入る。