第48章 【トド松ルート】小さな努力
ナス子との親友の格付けはまず趣味が同じ、そして何でも隠さず趣味の事を言い合える、という信頼関係から成り立っているからこそ、十四松や他の兄弟達には難しい事だ。
「なぁに~、チョロ松兄さんのそのちょっと余裕そうな顔~? また自分だけ違いますスタンスでも飾ってるつもりぃ? 親友ならまだ付け入る隙は多いんじゃないの? よくネット情報とかにも載ってるけどさ、親友だったハズがいつの間にか恋に変わるとかあるよね~・・・。はぁ、なんでこんな自意識の高いシコるのが好きなムッツリ兄さんがナス子姉の親友なんだろ。・・・ああ、でも残念同士だからこそ親友なのかなぁ?」
「トド松、お前絶対僕の事馬鹿にしてるよね?」
「え、え?? そんな、馬鹿になんてしてないよぉ♪ぼくはただ羨ましいなぁって言っただけだよ? ・・・ハハハッ」
チョロ松の目が光り、これは何か面倒臭い事を言われ始めるだろうと思ったトド松は、視線を外しまたスマホに目を通す。
だが、もう女性相手の対応に関しての記事はほぼ調べ終えてしまったくらい情報を吸収した。
・・・これ、他の女の子にやったら絶対使えるハズなのに。
ナス子とのやりとりを思い出すと、頬を膨らませ心の中でイラ立ちが沸いてくる。
「はぁ~あ~~、もっと楽にできないもんかなぁ、恋愛」
「「「「「はぁ━━━━━━━━━━・・・」」」」」
トド松に続いて、他の5人も同意のように深い溜息をついた。