第47章 【おそ松ルート】今こそ全ての想いを・・・
おそ松はぎょっとし、慌ててこんな時どうしたらいいかわからない両腕をあたふたと動かす。
そんなおそ松の様子に目もくれず、出てきた鼻水をずずっとすすると、ナス子は言葉を続ける。
「でぼっ・・・・でもっ、それで、おっ、おそ松に、今みたいに呆れられたりっ・・・ぐすっ・・・っき・・・嫌われだり゛っ、したら・・・・・っわ、私っ・・・・・・うっ、ぐずっ・・・! う゛ぅぅうぅ~~~っ」
子供のように泣きじゃくるナス子の言葉を、汗をかきつつも黙って聞いていたおそ松だが、一つ小さく溜め息をつくと、ナス子に近づいてその頭を優しく撫でる。
「泣くなよぉ~・・・・・・まったくいい年して・・・」
「うっぐ、ずびっ・・・年はっ、関係ないでしょっ・・・」
おそ松はそっとナス子を抱き寄せ、ナス子も黙ってされるがままになる。
子供をあやすように背中をとんとんと叩かれると、少しほっとした気がした。
「お前やっ・・・ぱ馬鹿だよねぇ。 俺がお前のそういう性格知らないとでも思ってんの? 幼馴染なめんなよぉ~? 俺はね、お前のそういうところも・・・馬鹿で鈍くて、口も態度も悪くて、ダサクてズボラで・・・・・・そういうところも含めて好きになっちゃったの! むしろそれがなくなったらナス子じゃないだろぉ?」
「ぐすっ・・・・・・・・馬鹿はどっちよ・・・・・・」
かろうじてナス子がそれだけ言葉を返すと、おそ松は突然ぱっと声色を明るくして抱き締める腕にも力が込もる。
「なぁ、俺に嫌われたらそんなに悲しいのぉ? 号泣するほど? 世界が終わっちゃうんじゃないかってぐらい悲しいってことでしょお~?! それってつまり俺のことそれだけ好きってことだよね?! そうだよね?!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「えええ?! まさかの無言?!」
恋愛偏差値は自分とほぼ変わらないはずのおそ松に、自分の気持ちをピタリと当てられて複雑な気分になる。
悔しさからか、すぐに返事が出てこないナス子。