第47章 【おそ松ルート】今こそ全ての想いを・・・
ひどく鬼気迫ったかのような顔で睨むようにこちらを見てくるナス子を、おそ松は一つあくびを漏らしながら見つめ返し、先に口を開いた。
「えーっと・・・・・もう一回って何を?」
「・・・夕方に、言ってたこと・・・・・・」
「夕方ぁ? ・・・・・・ああ、お前が好きだ、って?」
「っ・・・・・! そ、それさ・・・本当に、悪ふざけとか・・・」
「悪ふざけでも、冗談でも、賭けでも嘘でも嫌がらせでもないよぉ? 本気の本気で言ってんの! この台詞も何度目? もう録音してリピート再生しておけばいいんじゃないのってぐらい言った気がするよ? なんならそうする? 毎日死ぬほど俺の告白聞いてたらさすがのナス子でも俺の言う事信じてくれるでしょ」
「━━━━━━━信じてるよ・・・」
「・・・・・・は?」
また同じ水掛け論が展開されることを覚悟していたおそ松は、予想外の返事に思わずすっとんきょうな声を出す。
ナス子は正座した膝の上に置いた拳でズボンの布をぎゅっと握り締め、またさっきのようななんとも言えない表情でおそ松から視線を逸らしていた。
「おそ松の言うことは・・・わかった。信じるよ・・・・・・」
「━━━━っじゃあ・・・っ」
「でもっ・・・! でもね・・・っ自分が信じられないんだよ・・・! どうしても、私なんかのどこがいいのって思っちゃう・・・っ」
そう言うと、強く握り締めたナス子の拳が小さく震えるのがわかって、おそ松は少しだけ眉を顰める。
そのおそ松の表情をどんなふうに捉えたのか、ナス子の顔からさっと血の気が引くと、次の瞬間、ぼたぼたと涙が溢れ出した。