第47章 【おそ松ルート】今こそ全ての想いを・・・
ナス子がそう言うと、おそ松は渋々ナス子から離れる。
着替えの為に制服を持って寝室に入り襖を閉めながら、溜め息をつくおそ松の様子を見た。
ピタリと襖を閉め、着替えを始めながら、今見たおそ松の顔を思い出す。
そのおそ松の表情は、イラついているような、落ち込んでいるような、疲れているような、そんな印象だった。
着替えを済ませ、襖を開けると、おそ松はコタツに入ってテーブルに顎を乗せ脱力している。
その様子がなんだか可愛く見えてしまい、ナス子は小さく笑うとおそ松の近くまで歩み寄り、ぽんぽんと頭を撫でる。
「今日はヤケにしつこいねぇ~、わかったよ、何か意図があるにしろ、明日にでもホントに真剣に聞いてあげる」
ね? と、ナス子がしゃがみこむと、おそ松は視線だけをそちらに向けて呟く。
「・・・・・・何でここまで信じないのぉ? 俺の言うことってそん・・・・・・っなに信じられない?」
「今まで自分が私にして来た事言ってきた事を思い出すことだねぇ~」
「だからそれも謝っただろ~? は━━━・・・もういいよぉ、この会話も今日何回したんだよぉ・・・」
「お互い語彙力がないよねぇ~・・・って、ヤバイ! もう出ないと遅刻しちゃうっ!」
時計を見て慌てて立ち上がったナス子の手首を、おそ松がパシリと掴む。
「おそ松~~~~っ、ホントに時間が・・・・・・・」
「━━━━━━キスしたい」
「は?」
「キスしたい! いってらっしゃいのキスしてやるよ!」
「あのねっ、急いでるんだからふざ━━━━━━━」
ナス子が言葉を言い終えるより前に、強く腕を引っ張られおそ松に向かって倒れこむ。
顎を掴まれ顔を上に向かせられると、有無を言わさずおそ松の唇が重なってくる。