第45章 第二回 松会議
「・・・・・・ねぇ、言ってもいい?」
「ん? どうしたブラザー? 自分から手を挙げるなんて珍しいな」
「チッ、いちいち煩ぇんだよクソ松が」
一松は上げていた手を下げると、おそ松の顔を見て少し苛立った目で訴え始めた。
「あのさぁ、ハッキリ言うね? 順番とかそういうの気にするなら俺も言わせてもらうけどさ、この中でずっと長い事アイツの事好きだったのは俺が一番なんだけど? ずっっと言わずに、バレずに我慢してたワケだし。俺だってアイツに最初に言う権利はあると思うんだよね・・・」
「え~、別に好きになった順番とか関係なくない? 好きなら告白したい! それでいいんじゃないかな。それにナス子姉に告白した所で、誰が選ばれるかなんてわかんないし・・・寧ろ、全員・・・」
トド松の発言の続きを全員が察すると、さもそれを真っ向から否定するように総突っ込みを入れ始める。
「おい~末っ子ぉ! 今そんな話すんなよぉ! やっと俺だって自分の気持ちに気づいて勇気出して告白しようって決めてんだよぉ?」
「そうだぞトド松、愛は伝えてみるまでわからない・・・だからこそ人は人に愛を伝える・・・ああ、世界はなんてビューティフルなんだ・・・!」
「フラれる前提の話なんて今のこの場では考えたくないよね。それよりも、もし誰か選ばれる事になったらってことを考えたほうがまだ・・・・・・」
チョロ松の発言に、またも6人の間に沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのは目を猫目にしたままの十四松だ。
「・・・・・・うーん、姉さんってさぁ・・・・・・処女なのかなあ?」
「ええ?! またその話題?! もうそれ前の会議でやっただろ? 僕らが聞いた所で教えてくれるワケないし、怒り狂う姿が目に見えるんだけど?!」
今日はチョロ松はいつも以上に逃げ腰だ。
無理もないだろう、今までは幼馴染、弟、親友と言うポジションからランクアップを狙い、彼氏になりたいと思っているのだから。