第44章 私が気持ちよくなる薬を六つ子に飲ませました 六つ子と私
「どうしたの? チョロ松」
「あ、いや・・・お姉ちゃんの髪綺麗だし、良い匂いがするなって・・・なんか、ちょっと緊張しちゃったっていうか・・・」
「あっはは、女子の髪触ることなんてないだろうからねぇ~アンタたちは」
「う、うん・・・・・・」
「チョロ松? もう終わり~?」
手が止まったままの背後のチョロ松に声をかけるが、返事が返って来ないので振り返ろうとすると、
「おーっとスマン、チョロまぁ~つ!! シコ看板が滑ったあぁぁ!」
「俺も何故かパチンコの玉が滑ったあぁぁぁああ!!」
「ッボァフバ━━━━━━━━━━っ!!!」
カラ松がシコ看板をチョロ松の頭目掛けて投げ飛ばし、おそ松の投げた片手軽く一杯ほどのパチンコ玉がチョロ松の顔面にヒットする。
兄松二人、ナイスなコントロールである。
「おそ松兄さんカラ松兄さん! やきゅう?!」
「おわー・・・痛そう・・・」
サラサラになった自分の頭を撫でながら、それにしても、とナス子は思う。
いくら薬が効いているからといって、今日の松達はちょっと、いやだいぶ様子がおかしくないかと。
褒め薬なのに、どうしてまるで自分を取り合っているかのような・・・
まさかね、と一瞬脳裏を過ぎった思考を、首を振ってどこかへとおいやる。
今度は十四松がまたも腰に抱き付いてくる。
十四松についつい甘いナス子は、その頭を撫でながら顔を覗く。
すると十四松は満面の笑みで抱き付いたままナス子の顔を見る。