第44章 私が気持ちよくなる薬を六つ子に飲ませました 六つ子と私
「いや、勝手に殺すな! 死にそうではあるけども生きてるからね俺!! ただもうこの屈辱をどうしたもんかと、口を開きたくないのに勝手にこいつを褒めたくて仕方なくて・・・」
チラリと勝ち誇ったままのナス子と視線がブツかる。
そしてナス子は襖にもたれかかり腕組みをすると得意気に顎をあげて、ゲス顔である。
指をチョイチョイと内側に折り、もっとよこせとばかりに言葉を欲しいる。
「く、このままじゃ今日が僕らの命日になってしまう・・・迷惑しかかけてこない残念なナス子に久しぶりに会えてこんなに嬉しくて神様に感謝したいって言っても、まだ天国に行くわけには!」
「え? チョロ君なに言ってんの? あんた達が行くなら天国じゃなくって地獄に決まってんでしょ?」
心底何を言ってんだお前ら、と言うような目で喋るメンバーを見るナス子だが、顔はニヤけたままである。
「姉さん、今日もすっげぇダサイパーカーだけど、姉さんがダサイおかげでボク達がダサく見えないよ! それと、いつも馬鹿でいてくれてありがとうっ、姉さんがいるからボクも馬鹿でいられるよぉ」
「褒めつつもダサイとか馬鹿とか言うのやめてくれないかな?! もっとマトモなセリフとかないんすかね?! 時間が勿体ないっ」
「えー?! さっきはそれで天使みたいに頭を撫でてくれたのに?!」
「フ・・・ナス子様、オレはこんなドラッグなど飲まなくてもいつもお前に感謝してるぜぇ? 俺が今ハッピーでいられるのはお前の存在のおかげだ・・・アンダスタ~ン? ビューティガール・・・」
安定のカラ松はあまり悔しそうではなく、最早もうこのノリにノリノリになっているように見えるも、相手がカラ松な訳だし仕方ないとナス子は諦めた。
褒められてる事には変わりはない。