第44章 私が気持ちよくなる薬を六つ子に飲ませました 六つ子と私
「ふ・・・フフフフフフフフフ」
「・・・あ、とうとう壊れたか、そろそろ脳の寿命が限界だったみたいだね」
「一松くぅ~ん、私にそんな口を聞いちゃっていいのかなぁ?」
「は?」
皆が皆、今のナス子の発言を不思議に思い顔を合わせて肩を竦める。
「これから諸君には、地獄の一日を味わってもらおうじゃないの・・・ハハ、ハーッハッハッハッハッハッハ!!!」
再び、今度は松野家の二階で高笑いをするナス子。
わざわざ立ち上がり、まるで女王が高笑いをするかのようなポーズをとる。
ナス子の様子がおかしい事だけしかわからない六つ子は、首を傾げつつも各々が揃えて呆れたような表情になった。
「? 何言ってんのお前ぇ??」
「一松も言ってたけど、本当に脳がショートでもしたんじゃない? 普段から語彙力ないし漢字すらまともに書けない残念なヤツだけど」
「くぅ・・・なんて惨い最後なんだナス子・・・可哀想に・・・グッバイ・・・」
「ちょっと?! 兄松3人煩いんですけど・・・?! いや一松も大概だったけどさっ」
「姉さん姉さん、あのさ!」
楽しみにしている作戦が中々実行されない事に不安になるナス子だが、そこに十四松が再びやってくると若干引き攣った顔でナス子に声をかける。
「いつもお洒落も化粧もしないし、適当でダサイ服ばっかり着てる姉さんだけど・・・ボクそんなダサイとこも、姉さんの事も大好きだよ! ってあれ?! 思ってない変な事まで言っちゃうんだけど、ナンデー?!!」
「「「「「!?!?」」」」」
「じゅ、十四松! いい子!! めっちゃいい子ぉ!!! そうだよね、ダサいのもいいよねっ」
ニヤリと笑うナス子は他の5人の松達を勝ち誇った笑みで見下ろす。
しかし、それでいいのかナスナス子。
ダサイという事実は何一つ覆ってはいないのだが。
ニヤリと悪い笑顔を浮かべ、逃がさないとばかりに襖の前に立ちはだかり、松達の逃亡を許さんとする。